tsuyojijiの「ガン日和」

胃がん発見からおよそ1年になります。これまでの経過や日々の様子を書き連ねます。

「一陽来復」

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 昨日、天気に誘われて、富士山を見に行ってきました。気圧配置の関係で空気がよく澄んで、絶好の撮影日和でした。写真は、山中湖半からの眺望。

 先日、『一陽来復 Life Goes On』という映画を見てきました。ご存じの方も多いかもしれません。私は全く知らずにいて、伊勢崎時代の教え子のTさんから教えてもらいました。

   映画を紹介するネットのホームページには、「一陽来復の春、すべての人に知ってもらいたい鎮魂と再生の物語」とありました。東日本大震災て甚大な被害を受けた石巻市南三陸町釜石市福島県川内村浪江町の人たちに焦点を当て、悲しみ、苦しみのどん底から、それらを乗り越え、新たな一歩を踏み出して、新しい生活、新しい人生を築こうとする人々を描いたドキュメンタリー映画です。

   これまでにも、テレビでいくつもの震災後の人々の復興に向けたドキュメンタリーを見てきました。そのたびに思ってきたことではありますが、今回あらためて映画に登場する人々の生きる姿に感銘を受けました。どんなに打ちのめされようとも、明日を信じて新しい一歩を踏み出す勇気を持っている人間は、やはりすごいです。素晴らしいです。

   タイトルの「一陽来復」とは、「冬が去り春が来ること。悪いことが続いたあと、ようやく物事がよい方向に向かうこと」という意味なのだそうです。冬が去れば自然と春はやってきます。しかし、それは、ただ漫然と待っているだけではだめなんですね。気温は上がるかもしれません。しかし、冬の寒さにじっと耐え、その間にも春への備えを万全に整えて木々は芽吹き、花を咲かせます。津波による家族の死と生活基盤の崩壊。放射能被害による居住地と生計基盤の喪失。そのようなどうにもならない状況下、ただじっと待っているだけであれば、物事が好転することなどあり得ないのでしょう。悲しみを必死にかみ殺しながら、苦しみ、悩んで、ようやく新しい一歩を踏み出した人たちに「一陽来復」は起こるのです。そういった人たちのドキュメントだから、見ていて心を打たれます。映画を通してその人たちの苦しみ、そして新しい喜びに接し、涙がこみ上げてきます。

 「一陽来復」・・・来年の春が私にあるのかどうか。来年の春、孫の衣芙希が小学校に上がります。そのためのランドセルを先日注文しました。来春、そのランドセルをしょった衣芙希と、桜の下で一緒に写真をとることが、今は一番の願いです。私の病気の場合、「薬と運」に任せるしかないような面もありますが、気持だけは来年の春に向けて歩み続けようと思っています。

 明日は、「ナブタキセル+サイラムザ」第1コースの第2回目です。