tsuyojijiの「ガン日和」

胃がん発見からおよそ1年になります。これまでの経過や日々の様子を書き連ねます。

マイクロサテライト不安定性

 柏に通い始めてちょうど1ヶ月が経過しました。2週一回の点滴に通うわけが、結局毎週検査に来ている感じです。

 3週間前の組織検査の結果、「マイクロサテライト不安定性」という結果が出ました。一体これはなんだ?と言うことですよね。先週の診察の際に、主治医の設楽先生から示されました。とてもいいニュースですよ。と前置きがあり、この「マイクロサテライト不安定性」の患者は、「免疫チェックポイント阻害剤」オプジーボ)が効きやすい傾向があるので、期待して来週から切り替えましょう。というお話しでした。

 一般に、胃がんは、他の臓器のガンに比べ、治療の幅が狭いと言われています。そのために、ステージが進んだ進行癌からの治癒率はかなり低いのだそうです。そういった中で、昨年の10月頃から、この「免疫チェックポイント阻害剤」が胃がんでも適用できるようになり、期待が高まっています。これは、最新の癌治療の一つです。しかし、実際にすごくよく効いて癌がかなり小さくなる人は10パーセント程度、40パーセントくらいの人が横ばい程度の効果とのこと。

 ところが、「マイクロサテライト不安定性」の癌患者には、この薬の効き目がとても高くなるのだそうです。そもそも、この「マイクロサテライト不安定性」とはどういうのかというと、癌自体の遺伝子が不安定になり、ばらつきが出やすい癌のタイプとのこと。このタイプの患者に「免疫チェックポイント阻害剤」を注入することで、体の中の免疫が、癌を敵(異物)として認識しやすくなり、癌を攻撃しやすくなるのだそうです。確かに、私にとってはこれまでで最大のビッグニュースでした。

 それにしても、いろいろなタイプがあるものです。初めて胃がんとわかったとき、「あなたの癌は、G-CSF産生腫瘍という胃がん患者全体の1%もいないほどの珍しいタイプです。」と言われました。これは、白血球を作りやすい性質を持ち、進行が速い、というたちの悪さを有していました。そして、今度の「マイクロサテライト不安定性」の癌患者は、胃がん患者全体の3、4%しかいなのだそうです。設楽先生も、たくさんの患者さんを見てきて、これまでに10人程度しか出会っていなとのことでした。そして、その多くの人が薬が良く効いていたので「岡野さんも期待して、この薬に切り替えましょう。たくさんの教え子さんが応援してくれているようですから、何が何でもこの薬で乗り切りましょう」と。力強く言ってくださいました。

 実際の点滴に要する時間は1時間程度で、これまでの点滴の中では最も時間が短く、副作用も比較的内輪で済むとのこと(ただし、ごくまれに重篤な症状が出るので用心してくださいと言われました)。

 今日、第1回目のオプジーボ点滴を打ってもらって帰ってきました。