tsuyojijiの「ガン日和」

胃がん発見からおよそ1年になります。これまでの経過や日々の様子を書き連ねます。

 台風21号の影響、私の住む地域では大したことなく過ぎたようですが、被害の大小にかかわらず、影響のあった方々へのお見舞い申し上げます。
 さて、昨日、「ワークスタジオ前橋」への初出勤となりました。と言っても、実際に施設にいたのは2時間程度で、初めてということもあり、入所者の皆さんの活動の様子を見せてもらっただけでした。それでも、やはり結構の緊張をしていたらしく、帰宅後、どっと疲れが出ました。
 さっそく名刺をもらいました。久しぶりの名刺。気持ちが引き締まりました。
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 8月16日付のこのブログに書いたように、癌に負けない自分のための第一歩を踏み出すために社会復帰を果たそうと思った時、この「ワークスタジオ前橋」が頭に浮かびました。それは、以前に紹介しましたが、ここで一度入所者の皆さんに『ごんぎつね』の授業をさせてもらいました。そのためにこの事業所の笠井所長と会ったのですが、その折に笠井所長のこの事業所にかかわる熱く厚い思いを聞かせてもらっていました。

 従来の同様な就労者支援施設が抱えている様々な課題の中で、真に要支援者が、障がい者福祉の仕組みの中で十分な恩恵を受けられず、とりあえず簡単な作業ができるようになり、一度就労となっても、その離職率が高いのが実態。本来、障がい者であっても、その人にあった仕事に就いて、その仕事の中から働く喜びを見出し、最終的にはその人自身が幸福にならなければいけない。それを支援できるようにすることが障がい者就労支援の本質ではないか。

 このように、笠井所長は語ってくれました。そして、実際に事業所を訪ね、入所者の皆さんと1時間半にわたって『ごんぎつね』を読み合いました。この事業所に来ている皆さんは、それぞれ障がいの種類も、年齢も異なります。年齢的には20代から50代にわたるように見受けられました。その皆さんが、真剣にテキストを読み、私からの問いかけに応えてくれるのです。それこそ、目を輝かせて、お互いに意見を交換し、自分自身の考えを深めている様子が分かりました。
 そんな入所者の皆さんの様子と、笠井所長の思いとが自分の中で重なったとき、『この事業所ならば、自分に何か力になれそうなことがありそうだ。自分が癌を忘れて新しい一歩を踏み出すために、この事業所で使ってもらおう』という思いが強くなったのです。
 昨日は、午前中に15分ほど、私のミニスピーチの時間をもらうことができました。そこで、この事業所で働こうと思った経緯について、癌のことと関連付けながら話をしました。短い時間ではありましたが、皆さんがしっかり私とアイコンタクトをとってくれて、本気で聞いてくれている様子が伝わりました。これだけでも、体中の免疫力が高くなるような気がして、これからの遣り甲斐とともに、癌に対抗する大きな道筋ができたように感じた瞬間だったように思います。