tsuyojijiの「ガン日和」

胃がん発見からおよそ1年になります。これまでの経過や日々の様子を書き連ねます。

「癌患者としての自分」を忘れていられる喜び

 前線のおかげで涼しい日が続いています。この「おかげで」というのは、関東地方限定のことですね。西日本では、この前線のためにまたもや大雨の被害が出ているようです。前回のような大きな被害が出ないことを願うばかりです。

 先日の土曜日、平成3年度に小学校4年生で担任した二人の女子とコメダ珈琲でお茶をしました。二人とも7月にあった「かたかごの会」に来られなかったので、一度会いたいということで連絡をしてきてくれました。

 さて、待ち合わせの時間にコメダ珈琲に行くと、Iさんが先に来ており、東京から来るAさんは少し遅れるとのこと。Iさんとは、冬に私が群大病院に入院した時に、彼女がお見舞いに来てくれて以来なので、半年ぶり。早速「しばらくだったね。」から始まり、子供さんの近況などを聞いていました。そのうち、5分遅れくらいでAさんが到着。彼女とは3年ぶり。彼女は、今年から東京都内の小学校の教員になりましたが、それまで5年間ほど伊勢崎市内の小学校に勤務していて、私がその学校に校内研修の講師として招かれた際に会って以来でした。

 早速、3人で、あれやこれやの会話。私が新たに始めたワークスタジオ前橋での仕事の話(このワークスタジオの代表を務める笠井所長は、4年1組で二人と同級生。笠井君のWSにかける思い、障がい者福祉にかける思いについて話すと、二人とも驚いていました)、孫たちの話、ジャムの話、写真集の話、Iさんの子育ての話、Aさんの東京と群馬の学校事情の違いについての話、などなど、2時間近く話していました。

 そして、そろそろ帰らなくては、と思ったとき、「おや」と気づきました。

 なんと、私の病気のこと、全く話していなかったことに気づいたのです!いつも、だれかと会うと、必ずと言っていいように私の病状報告から話が始まりました。ところが、今回、帰り間際になって「あれ、私の病気のこと、何も話していなかったね」となりました。

 二人とも、このブログやFacebookやLINEの中で、私が元気にしている様子は読んでいたので、ある程度「元気なんだろう」という思いではいたようです。それでも、私に会うまでは、どんな様子なのか、とても気にしながらやってきたのだそうです。ところが会った瞬間、「先生の目が生き生きとしていて、その心配がどこかに行っていました」とのこと。

 そうなんです。今日は、「ガンを患う病人と心配してお見舞いに来てくれた」二人と会っていたのではなく、「ごく普通の体の、元の担任と教え子」として会っていたことになるのだと思います。この感覚がとてもうれしい一日となりました。

 今でも、胃のあたりが少し腫れぼったかったり、ちょっとうずいたりすると、微妙に不安になることはよくあります。しかし、自分が「癌を抱えている」ということを忘れられる時間がとても多いのにも改めて気づきました。それは、WSで、入所者さんたちと触れ合う時間が多くなったこともあるでしょうし、それだけ体調がよくなっているということの現れなんだと思っています。