tsuyojijiの「ガン日和」

胃がん発見からおよそ1年になります。これまでの経過や日々の様子を書き連ねます。

濃厚な時間の半年が経過

 ふと気づくと、すでに7月に入っていました。異例の早い梅雨明けにも驚かされましたが、ここ数日の猛暑には驚く以上にあきれ果てた感が強いですね。

 さて、この半年を振り返ったとき、これまでの人生の中で、おそらくこれほどの「濃厚な時間」として経過した半年はなかったのではないかと感じています。年齢とともに、月日の経つのが早く感じられるものです。しかし、私にとってこの半年間は、早いとか遅いという感覚よりも、その中身の濃さに驚かされています。

 それは、すべて病気によるものであることには違いありません。これまで書き溜めてきた日記(正月に書き始めた日記を、一日も欠かさずに半年間かき続けたのは、初めてのことで、これも驚きです)にしても、このブログにしても、そこに書かれていることがそのすべてであるわけですが、副作用のために何も食べらなかった正月から始まって、むくみのための緊急入院、新たな抗がん剤での治療、セカンドオピニオンと新たな病院での治療のスタート。このような事象の中で、抗がん剤による治療の経過、定期的な血液検査の結果等々による激しい気持ちの浮き沈みを、これまでの人生で経験したことがなかく、そのことが時間の経過の重みとなっている一つの要因かと思います。

 

 しかし、それ以上に、「濃厚な時間としての半年」として自分の中に認識される理由があります。それは、「人とのつながり」方の変化にあります。

 家族、兄弟、親せき、友人、という一般的なつながりのほかに、私にはとても貴重な「教え子」の存在があります。これまでも私のスマホの中の電話帳の半数は教え子たちでしたが、日ごろ連絡をよくくれて、私とのコミュニケーションをとってくれていたのはその中の一部の人でした。それなので、発病について知らせたのはその人たちだけで、ほかの友人には口止めをお願いし、そのときの15人ほどの教え子たちと「オカノ通信」というLINEのグループを作り私の病気の様子を伝えていました。

 しかし、少しずつほかの人にも漏れ始め、また、何人かの人たちから「ほかの人たちにも伝えていいのでは」という意見をもらい、1月の半ば、Facebookに公開し、同時にこのブログを始めました。そうこうするうちに、「オカノ通信」につながる人たちが徐々に増えてきました。春頃には、おそらく70人ほどに増え、今では150人を超えました。そして、このグループのほかに、それぞれのクラスごとのグループもできて私を招待してくれて、それまで全くつながっていなかった人たちともつながるようになりました。

 これらのLINEグループの中で、教え子たちがいつでも最大限のエールを送てくれ、またさまざまな情報を真剣に探して伝えてくれます。そして、時にはたわいもないやり取りをしつつ、時に私がネガティブな書き込みをすると、即座におしかりや応援のメッセージが届きます。時には、つながった人同士で私の担任時代の悪行や失敗談を伝えあって楽しんでいたりもしています。

 このLINEでつながる教え子たちは、最年長は53歳、最年少は35歳になる教え子たちです。彼らと毎晩のようにいろいろな会話をしてきました。そのことが、これまでの半年間がただの時間経過ではなく、私の中に大きな充実をもった「濃厚な時間」をもたらしてくれているのだと思います。